棟板金の釘浮きを放置すると…!?浮く原因・リスク・正しい対策とは

棟板金の釘浮きを放置すると…!?浮く原因・リスク・正しい対策とは (3)

「屋根で起こりやすい劣化症状は?」「屋根の点検で釘が浮いていると言われた」「棟板金ってそもそも何?」
そんな疑問を抱えている方は少なくありません。
スレート屋根や金属屋根などの屋根に起こる棟板金の釘浮きは、建物の屋根トラブルの中でも非常に多い症状です。
放置すると雨漏りや板金の飛散につながる恐れがあるため、定期的なメンテナンスなどの対策が必要です。

この記事では、棟板金の基本的な役割から、釘が浮いてしまう原因、放置した場合のリスク、そして正しい補修・対策方法まで、わかりやすく詳しく解説します。
お住まいの屋根がスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)や金属屋根、アスファルトシングルの方は、ぜひご参考になさってください。

目次

屋根の『棟板金』とは?

棟板金の釘浮きを放置すると…!?浮く原因・リスク・正しい対策とは (1)

棟板金の基本構造

棟板金(むねばんきん)とは、スレート屋根(コロニアル屋根)や金属屋根などにおいて、屋根の最頂部である「棟(むね)」を覆うように取り付けられた金属製の板のことです。
棟板金自体は一般的にガルバリウム鋼板やトタンなどの金属素材が使われており、屋根の頂点を保護している部材です。

棟板金の内部構造(貫板との関係)

棟板金は単体で屋根に固定されているわけではありません。
内部には貫板(ぬきいた)と呼ばれる下地となる建材が設置されており、棟板金はこの貫板に釘やビスを打ち込むことで固定されています。

板金が設置されている場所

板金は主に以下の箇所に設置されます。

  • 屋根の頂上(大棟)
  • 屋根の傾斜が変わる部分(隅棟・下り棟)
  • 屋根面と外壁が接する部分(ケラバ・谷部)

上記のように、雨水が入り込みやすい場所に板金は設置されています。

なぜ棟板金の釘が浮いてしまうのか?

棟板金の釘浮きを放置すると…!?浮く原因・リスク・正しい対策とは (4)

棟板金の釘浮きは、築年数が経過した住宅に非常に多く見られる症状です。
なぜ浮いてくるのか、その原因を把握したうえで適切な対策を取りましょう。

原因①金属の熱膨張・収縮による釘の緩み

棟板金はガルバリウム鋼板などの金属素材でできています。
金属は気温の変化によって膨張・収縮を繰り返す性質(熱膨張)があります。

夏場の直射日光を受けた屋根は表面温度が60〜80℃以上に達することもあり、冬場との温度差は非常に大きくなります。
この温度変化によって棟板金が膨張・収縮を繰り返すと、打ち込んだ釘が少しずつ引き抜かれるような力が働き、長年の積み重ねで釘が浮いてきます。

原因②貫板(木材)の腐食・劣化

棟板金を固定している貫板は木材であることがほとんどのため、雨水や湿気の影響を受けやすい素材です。
長年にわたって雨風にさらされると、木材が腐食・劣化して釘の保持力が著しく低下します。

釘は本来、貫板に食い込むことで固定力を維持していますが、木材が腐ってスカスカになってしまうと、釘が抜けやすくなります。
貫板の劣化が進んでいる場合は、釘を打ち直すだけでなく、貫板ごとの交換が必要になるケースもあります。

原因③台風・強風による物理的な力

台風や強風が吹いた後に棟板金のトラブルが発覚するケースは非常に多いです。
強風によって棟板金が上方向や横方向に引っ張られる力(風圧)が加わると、釘が少しずつ抜けてきます。

特に築10年以上が経過して釘が緩み始めた棟板金は、台風をきっかけに一気に浮いてしまったり、最悪の場合は板金が飛散したりするというケースも少なくありません。

原因④施工不良や釘の種類の問題

施工時に使用する釘の種類や打ち込み方が不適切だった場合も、釘浮きが起きやすくなります。

一例として、錆びやすい素材の釘を使用していた場合は釘自体が腐食して棟板金の固定力が失われてしまいます。
また、打ち込みが浅かった場合も同じように、棟板金が早期に浮きやすくなります。

棟板金の釘浮きを放置するとどうなる?

棟板金の釘浮きを放置するとどうなる?

「釘くらい浮いても大丈夫だろう」「しばらく屋根の点検をしてもらっていない」など、メンテナンスを怠るのは大変危険です。
釘浮きは確実に進行し、以下のようなさまざまなトラブルを引き起こします。

リスク①雨漏りの発生

棟板金の釘が浮くと、釘穴から雨水が浸入するリスクが高まります。
棟部分は屋根の最頂部にあるため、ここから入り込んだ雨水は屋根全体に広がり、やがて天井裏や室内への雨漏りにつながります。

雨漏りは一度発生すると、屋根材・防水シート・野地板・屋根裏の木材など、複数の部材を傷めます。
修繕費用も棟板金の補修単独と比べて大幅に増加するため、早期発見・早期対処が重要です。

リスク②棟板金の飛散による二次被害

釘浮きが進行して棟板金が完全に固定力を失った状態で台風や強風にさらされると、棟板金が屋根から吹き飛ぶ可能性があります。
飛散した板金は近隣の建物・車・人などに当たる恐れがあり、非常に危険です。

実際に台風の際に棟板金が飛んで、近隣の方の車に傷をつけてしまったというトラブルも報告されています。
損害賠償問題に発展するケースもあるため、釘浮きを軽視してはいけません。

リスク③貫板・野地板の腐食が進む

雨水が釘穴から侵入し続けると、内部の貫板(木材)が腐食し始めます。
さらに放置すると、その下にある野地板(屋根材を支える合板)にまで腐食が広がり、屋根全体の強度が低下します。
ここまで劣化が進むと、部分補修では対応できなくなり、屋根全体のリフォームが必要になることもあります。

棟板金の釘浮き対策2選

釘浮きの対策は大きく分けて「釘の打ち直し」と「シーリング材による補強」の2つがあります。

対策①定期的な釘の打ち直し

釘浮きの最も基本的な対処法が、浮いた釘を再度打ち込む「釘の打ち直し」です。

ただし、単純に元の場所に打ち直すだけでは不十分な場合があります。
同じ場所に再打ち込みしても、下地である貫板の強度が低下していれば再び浮いてきてしまいます。
そのため、釘の打ち直しを行う際は以下のポイントが重要です。

・錆びにくいステンレス製のスクリュー釘やステンレスビスを使用することで、引き抜け抵抗が高まります。
・貫板が腐食している場合は、打ち直しの前に貫板を新しい木材や樹脂製の貫板に交換する必要があります。

なお、釘の打ち直しは定期的な屋根点検(一般的に5〜10年に1度)の際に行うことをおすすめします。

対策②釘頭にシーリング材を被せて補強

釘頭や板金継ぎ目補強~リリーフNADフッ素で屋根塗装仕上げ|横須賀市屋根塗装・外壁塗装⑥ (4)

上の写真は当社が先日、横須賀市で行った屋根塗装と同時に行った釘頭補強の様子です。
釘頭にシーリング材(コーキング材)を被せることで、釘穴からの雨水の浸入を防ぐことができます。

また、シーリング材が固まることで釘頭周辺が固定され、熱膨張・収縮による釘の動きを物理的に抑制する効果もあります。

まとめ:棟板金の釘浮きは早期発見・早期対処が鉄則

棟板金は屋根の頂部を保護する、建物にとって最も重要な部材です。
しかしその固定に使われている釘は、熱膨張・収縮や貫板の劣化・強風などによって、経年とともに浮き上がってきます。
対策としては、定期的な釘の打ち直しと、釘頭へのシーリング材による補強が有効です。

屋根は普段目に見えない部分だからこそ、定期的な点検とメンテナンスが大切です。
「最近屋根を点検していない」という方は、ぜひ当社、(株)ITSにご相談ください。
点検・お見積もりは無料で行って行っていますので、お気軽にどうぞ!

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