建物の防水性能を保つために必要なシーリング工事とは？劣化症状やメンテナンス方法
シーリング工事は建物の隙間や継ぎ目を専用材料で密閉し、雨水の浸入を防ぐ防水工事です。
外壁と外壁の間、サッシ周りなどにゴム製の樹脂を注入することで雨水や隙間風を防ぎ、建物の耐久性や居住環境の快適性に役立っています。
ただ、シーリングは年月が経つにつれて劣化し、やがて防水性を失います。
劣化した状態を放置し続けると雨漏りや隙間風の浸入によって光熱費の高騰や冬は寒くて眠れないということにもなりかねません。
また、建物は防水ありきで造られているため、カビの発生や断熱材の劣化、さらには構造材の腐食まで引き起こす可能性があります。
そこで今回はシーリング工事の重要性やメンテナンス方法について詳しく解説します。
新築から10年以上経った、シーリングのひび割れや肉痩せが気になるという方はぜひ最後までご覧ください。
シーリング工事が必要な場所はどこ？
建物には内外装に関わらず、さまざまな場所にシーリングが埋められています。
その中でも特にシーリングが劣化しやすい場所、定期的なシーリング工事が必要となる場所があるのでチェックしてみてください。
外壁目地
サイディングボードやALC外壁の目地には隙間が設けられており、その間にはシーリングが埋められています。
防水性を高めるだけでなく、シーリングの柔らかさが建物の揺れを吸収し、ひび割れを防止してくれています。
外壁目地の防水性能が低下すると目地から雨水が浸入し、外壁材の裏側や断熱材を濡らします。
これによって断熱性能が低下するだけでなく、内壁のカビ発生や構造材の劣化を引き起こします。
外壁のサッシ周り
窓やドアなどのサッシ周りはお住まいの中でも特に雨漏りの原因になりやすい場所です。
シーリングによる防水性能がなければ窓枠から壁内部に水が入り込み、構造材を腐らせる原因となります。
サッシ周りのシーリング工事では四方全てを確実に密閉し、特に下部の水切り部分は入念に施工する必要があります。この部分の防水性能が不十分だと雨水が溜まりやすく、漏水リスクが高まります。
ベランダ・バルコニー
ベランダやバルコニーは床と壁の接合部、排水口周り、手すりの取付け部など、複数の箇所にシーリングが埋められています。
その中でも腰壁上部に設置されている場合がある笠木という部分は雨水が入り込みやすい構造になっており、シーリングの劣化から雨漏りに発展しやすい場所です。
この部分からの漏水は室内に直結しやすく、発見が遅れると大規模な補修が必要になる恐れがあるので、日ごろから注意して見るようにしましょう。
屋根
屋根では屋根板金、谷部、棟部、壁との取り合いなど、多くの箇所にシーリングが施されます。
煙突やダクト、天窓などの貫通部周りは、特に高度な防水性能が求められます。
これらの部分は複雑な形状をしているため、熟練の職人による丁寧なシーリング工事が不可欠です。
陸屋根の場合はパラペット部分や排水溝周りのシーリング工事が防水性能の要となります。
こんな劣化症状は早めのメンテナンスを！
シーリングは年月が経つと、使用材料や施工方法によって様々な症状が発生します。
以下のいずれかの症状を見つけたら、できるだけ早めにメンテナンスを行いましょう。
- ひび割れ：シーリングが紫外線や温度変化の影響で硬化し、柔軟性を失ったことを示す劣化症状です。放置すると亀裂が深部まで達し、雨水の浸入経路となります。
- 破断：シーリングが完全に裂けてしまっていれば、防水機能は完全に失われており、雨水が直接建物内部に浸入します。早急な対処が必要です。
- 剥がれ：シーリングが下地から剥がれている、触ると浮きや動きがみられる場合は内部に隙間ができており、雨漏りリスクが非常に高い状態です。
- 肉痩せ：シーリング材が痩せて細くなり、目地の奥に引っ込んでしまう劣化症状です。進行すると雨水が溜まりやすくなります。
シーリングの防水性を保つための点検・メンテナンス方法
シーリングの劣化を放置し続けると雨漏りや大規模改修が必要になる恐れがあるため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
どのようにチェックすべきか、メンテナンス方法も併せて紹介します。
定期点検によるシーリングの確認
シーリングの劣化は早期発見・早期対処が大切です。
小さな不具合の段階で対処すれば大規模な補修を避けることができ、建物の防水性能を長期間維持できます。
台風や大雨の後はシーリングに負担がかかっているため、重点的に点検することをおすすめします。
少なくとも年に一度は目視で劣化状況をチェックし、必要に応じて専門業者による詳細診断を受けましょう。
修理業者によっては無料で診断をしてくれるので、お住まいの地域の修理業者に相談をしてみてください。
劣化している場合は打ち替えか増し打ち工事
シーリングの劣化が進行した場合、基本的に打ち替え工事によって防水性能を完全に回復させます。
既存のシーリングを全て撤去し、新しいシーリング材で施工し直すことで劣化状態をリセットできます。
もう1つ、増し打ち工事というメンテナンス方法もあります。
これは既存のシーリングの上から新しいシーリング材を充填する工法です。
シーリングを撤去することによって施工不良が起こる構造の場合は増し打ちを選択することもあります。
打ち替え工事は増し打ち工事(既存材の上から重ねる方法)と比べて費用と手間がかかりますが、防水性能と耐久性は格段に高まります。
長期的な視点では、打ち替え工事の方がコストパフォーマンスに優れています。
適切なタイミングでのメンテナンスを行うことで、建物の防水性能を常に高いレベルに保つことができます。
一般的には10年から15年ごとの実施がおすすめです。
塗装工事と同時施工がおすすめ
外壁塗装とシーリング工事を同時に行うことで、建物全体の防水性能を総合的に向上させられます。
シーリング工事で目地を新しくした後、塗装で外壁全体を保護することで相乗効果が生まれます。
また、足場費用を一度で済ませられるため、経済的なメリットも大きいです。
「今回はシーリング工事を。塗装工事は今度。」と別々にすると、足場代が2回分かかります。
足場代は一般的な大きさのお住まいで約20～25万円が相場です。
シーリング工事や塗装工事ならITSへご相談を！
シーリングによる防水性能は建物を長期にわたって守るための基盤となります。
少なくとも年に1回、シーリングの状態を点検し、劣化症状を見つけたらメンテナンスをしましょう。
神奈川県横須賀市の(株)ITSはシーリング工事、塗装工事など建物のメンテナンスを幅広く承っています。
建物の点検やお見積もりは無料で行っていますので、お気軽にお問合せくださいますと幸いです。
